プロレクト代表の武田です。
第1弾「転落編」では、自社オウンドメディアで AI 生成記事を量産した結果、検索流入が 63% 落ちた ことと、その背景にあった判断ミスを書きました。 第2弾「止血編」では、38 本の記事を一気に noindex にした「捨てる」判断のプロセスをまとめました。
本記事(第3弾「再構築編」)で書きたいのは、そのあとの話 です。
止血が終わった時点で、ようやく「これから何を作るか」を考えはじめられる状態になりました。ただ、私たちは止血直後に新しい記事を書きはじめませんでした。書く前に、判断軸を作り直す時間が必要だった からです。
この記事では、止血の後にやったこと──残った記事の見直し、判定軸の再設計、AI Overviews 時代の記事制作プロセスをどう変えつつあるか──を、できる限り正直に書きます。
ひとつ最初に断っておくと、ここに書く制作プロセスは まだ完成形ではありません。第1-2弾が「やったこと」を書いた回顧モードだったのに対して、第3弾は 「いま、こう考えて動いている」 の現在進行形です。試行中のルールや、まだ答えが出ていない問いも含めて、できるだけ生のまま共有します。
なぜ、止血直後に新規記事を書きはじめなかったのか
検索流入が落ちている状態で、38 本も外した直後です。常識的には、1 日でも早く新しい記事を出して、サイト全体の存在感を取り戻す 方向に動くべきタイミングでした。
実際、私自身も「次は書く番だ」と最初は思っていました。
ところが、書こうとして手が止まりました。何のテーマで、誰に向けて、何を伝える記事を書くべきかが、自分の中で言語化できていなかった からです。
第1弾で書いた失敗の核は、結局このひと言に集約できます。
「記事単体ではよく作れていたが、サイト全体としてどんな役割の記事をどれだけ揃えるべきかの設計がなかった」
ここに戻らないと、次の記事を書いても、AI で 1 本 1 本クオリティを上げても、サイトの主張は積み上がりません。それは止血で確認したことそのものでした。
だから、止血の直後に取ったのは、書きはじめない判断 でした。
正直、焦りはありました。サイト全体の流入が減っている状態で、何もアウトプットを出さない期間が続くと、サイトの存在感そのものが薄くなっていく気がしました。「とりあえず 1 本でも書きはじめた方が、心理的にも楽だ」という声が、自分の中で何度も出てきました。
それでも書きはじめなかったのは、焦って増やせば、同じ失敗を繰り返す と思ったからです。
その時間に当てていたのは、残った記事の見直しと、サイト全体としてどの種類の記事が足りていないかの確認でした。一通り見たうえで痛感したのは、比較検討・社内検討・発注判断に進むための素材が、決定的に弱い ということです。「読まれる記事」は何本かありましたが、「商談を前に進める素材」になっている記事は、ほとんどなかった。
ここに気づいた時点で、ようやく次に何を書くかを考えはじめられる状態になりました。具体的にやったのは、3 つの整理です。
- 残った記事を、役割で見直す(H2-2)
- 「検索流入を取りに行く記事」と「受注導線上で必要な記事」を分ける(H2-3)
- AI Overviews の影響を踏まえて、判定軸を作り直す(H2-4)
この 3 つを通したうえで、ようやく「これから作る記事は、検討プロセスのどの段階の役割を担うか」(H2-5)が決まりはじめました。
残った記事を、役割で見直した
止血の後にまずやったのは、残った記事の棚卸し です。
noindex 対象の 38 本を外したあと、検索対象として残った公開記事は 248 本でした。その 248 本を、記事タイトルやテーマをもとに大まかに分類したところ、情報収集フェーズの記事は 100 本。一方で、社内検討・発注判断に明確に寄せた記事は 14 本に留まりました。
※ 分類は、記事タイトルやテーマに含まれるキーワードをもとにした大まかな棚卸しです。厳密な読者行動データではありませんが、サイト全体の偏りを見るには十分な粒度だと判断しました。
用語辞典を外したあとも、サイトにはまだ「知るための記事」が多く、「社内で検討を進めるための記事」はかなり薄い ── これが、止血を経て見えた 一番大きな空白 でした。第1弾で書いた「役割が混ざったまま量産していた」という反省は、外したあとに残った記事を見ても、はっきり残っていたわけです。
分類軸を 4 つに絞り込む
第1弾の後半でも触れた 役割と独自性 の発展形として、今回は 4 つの軸で分けてみました。
- 実体験記事:自社の試行錯誤・現場の判断を、生で書いた記事
- 比較検討フェーズの素材:複数の選択肢を整理し、判断材料を提供する記事
- 社内検討フェーズの素材:稟議突破・合意形成に使える、定性的な根拠を持つ記事
- 情報収集フェーズの記事:「○○とは?」型を含む、定義・概観の説明
4 つに分けてみると、サイトに残った記事の偏りがはっきり見えました。
- 「情報収集フェーズの記事」は、止血で大きく減らした(用語辞典 33 本を外したため)
- 「実体験記事」は、もともと少なかったが、ここに私たちの独自性が出る
- 「比較検討フェーズの素材」「社内検討フェーズの素材」は、ほぼ手付かず だった
最後の項目が、止血を通して見えた 最大の空白 でした。
「強い記事」と「消えた記事」の輪郭
残った記事の中で、AI Overviews 時代でもクリックが落ちていないものには、ざっくりした共通点がありました。要約しにくい / 書き手の固有性がある / 読者の動き方が記事側で設計されている、という 3 点です。
逆に、消えていった記事は、第2弾の H2-2-B で書いた通り「順位は維持されているのにクリックが消える」型でした。「○○とは?」型・フレームワーク解説型・用語定義型 ── つまり、要約しやすい記事ほど、AI Overviews に飲まれていきました。
この 「強い記事」と「消えた記事」の輪郭 を、これから作る記事の判定軸にどう活かすかは、H2-4 で詳しく扱います。
「検索流入を取りに行く記事」と「受注導線上で必要な記事」を分ける
棚卸しの中で、もうひとつ判断軸を作り直しました。それが、「検索流入を取りに行く記事」と「受注導線上で必要な記事」は別物として扱う という考え方です。
これまで(特に AI 量産の時期)の私たちは、無意識のうちに 「検索流入が取れる = サイトに必要な記事」 という前提で動いていました。SEO の常識として、検索流入の規模で記事の優先順位を決めていた、ということです。
ただ、止血で見えたのは、この前提が AI Overviews 時代には成立しなくなっている という事実でした。
2 つの記事タイプの違い
整理してみると、「検索流入を取りに行く記事」と「受注導線上で必要な記事」は、目的・読者・書き方・成功指標がすべて違います。
| 観点 | 検索流入を取りに行く記事 | 受注導線上で必要な記事 |
|---|---|---|
| 主目的 | サイトへの入口を作る | 検討プロセスを前に進める |
| 主読者 | 検索ユーザー(広い) | 検討中の見込み顧客(狭い) |
| 書き方 | 検索意図に最短で応える | 役割上の論点を深く整理する |
| 成功指標 | 順位・クリック・流入数 | 検討段階の遷移・問い合わせ |
| AI Overviews の影響 | 直撃を受ける | 影響を受けにくい |
両方とも必要な記事ですが、1 本の記事で両方の役割を担わせようとすると、結局、どちらの目的にも届きません。書きはじめる前に、その記事がどちらに寄せるかを決める必要があります。
プロレクトの場合の選択
私たちの場合、どちらを優先するかは、事業の性格から決まりました。
プロレクトの主導線は、設計パッケージ → 月次パートナーの流れで、BtoB 企業の受注導線を一緒に組み直すことです。年間の契約本数は、検索流入で言えば 1 桁台あれば十分に回ります。流入の量よりも、読者がそのあとどう動くかを設計できる記事 を厚くしたほうが、事業との接続が強くなります。
これは、すべての BtoB 企業に当てはまる選択ではありません。広告費を抑えて、流入の量で勝負したい会社 は、検索流入記事の比重を上げる選択もあります。重要なのは、両者の役割を分けたうえで、自社事業のステージで優先順位を決める ことです。
反省は「二択」ではなく「順番」だった
ここで誤解を避けたいのは、検索流入を取りに行く記事が不要になったわけではない ということです。BtoB サイトにおいても、検索流入を担う記事は引き続き必要です。
今回の反省は、検索流入を取りに行く記事を増やす前に、その記事が読者の検討プロセスのどこを進めるためのものかを決めきれていなかった ことでした。両者を二択として扱ったから失敗したのではなく、役割を決めずに数を増やした結果、サイト全体の主張が薄くなったのです。
だから再構築では、「検索流入か、導線か」の二択ではなく、「検索流入を取りに行く記事であっても、導線上での役割を先に決める」という順番 に変えました。順番を入れ替えれば、検索流入を取る記事も、商談・受注に接続する記事として作れる ── これが、第3弾を書く時点での仮説です。
AI Overviews に飲まれやすい記事 / 飲まれにくい記事
判定軸を作り直すなかで、もうひとつはっきり見えてきたのが、「AI Overviews に飲まれる記事」と「飲まれにくい記事」の構造的な違い でした。これも、今後の制作プロセスでの判定軸として整理しました。
AI Overviews に代替されやすい記事の特徴(仮説)
第2弾で個別に取り上げた C 群代表 3 本(C 群 5 本のうち、ChatGPTで考える力・OODAループ・アンゾフの成長マトリクス)を含めて、AI Overviews に飲まれた記事には、いくつか共通点があると見ています。
- クエリが「定義」「概要」「方法」を求めている:「○○とは」「○○の方法」など、答えが要約可能
- 書き手の固有性が薄い:Wikipedia レベルの定義に、一般論の解説を加えた構造
- 本文を読まないと得られない情報が少ない:要点 3 行で済む内容を、5,000 字に伸ばしている
これらは、Google の AI Overviews がもっとも得意とする領域 です。クエリに対する答えを 3-5 行で要約して返せる以上、ユーザーが記事ページに到達する動機がほとんど残りません。
AI Overviews に代替されにくい記事の特徴(仮説)
逆に、AI Overviews が出ても順位とクリックが維持されている記事には、AI による要約に代替されにくい構造 があるように見えます。
- 判断や経験のプロセスが含まれている:「○○のとき、私たちはこう考えた」「××で迷ったが、結果こうした」
- 数値や固有の事例がある:「6 ヶ月で 38 記事を外したとき、何が起きたか」のような具体性
- 読者の検討段階が明確:情報収集ではなく、比較検討や社内検討フェーズの読者を想定している
ひとことで言えば、「要約しにくく、判断プロセスまで含まれている記事」 には、AI Overviews が出ても 「記事として読む理由」 が残ります。検索結果上の要約だけでは伝わらない情報が本文にあるクエリほど、読者が記事を開く動機を保てる、ということです。
代替されにくい構造の例 ── 自分たちの記事で確認してみる
抽象的に書いても伝わりにくいので、私たちが運営する 2 つのサイトから 3 本の記事を取り上げ、上の特徴がどう出ているかを確認してみます。
第1弾「AI生成記事を量産して、検索流入が63%落ちた話」 ─ 一般的な「AI 記事のリスクとは」ではなく、自社が AI 量産で流入を 63% 落とした実体験 を、GSC の実数値とともに開示している記事です。「順位は良いのにクリックが消える」現象を、自分たちのデータから読み解くプロセスを書いているため、要点 3 行で要約されると、判断プロセスがほぼ落ちます。
第2弾「BtoBサイトの38記事を、一気にnoindexにした話」 ─ 「noindex の方法」を解説する一般論ではなく、何を、なぜ、どの基準で外したか を、38 本の判定軸とともに書いた記事です。「捨てる怖さ」「執着」のような感情の言語化と、適用後の数値推移が組み合わさっていて、AI による要約だけでは、なぜその判断に至ったかは伝わりません。
[コピペOK] SEO記事制作に使えるChatGPTプロンプト集 ── 私たちが運営するもうひとつのサイト「BtoBマーケティング教科書」の記事です。「ChatGPT で SEO 記事を書く方法」を一般論で解説するのではなく、E-E-A-T の観点別に使えるプロンプトを並べ、その場でコピペして試せる形 にまとめています。本文側に「コピペして使うプロンプト全文」が並んでいるため、AI Overviews が概要を要約しても、プロンプトを手元に持ち帰るには記事を開く必要が残る ── 「本文を読まないと得られない情報」が物理的に本文側にしかない構造です。
3 本に共通しているのは、「検索結果上の要約欄に収まらない情報」が本文側に残っていること です。実体験と判断プロセスを書いた記事も、コピペできる固有の資産を並べた記事も、どちらも 要約を読んだだけでは目的が達成できないため、記事として読む理由が残る ── これが、AI Overviews 時代に代替されにくい記事の構造ではないか、というのが今の見立てです。
企画段階の 3 つの問い
この特徴の違いを、新しい記事の企画段階で問いとして使うようにしました。テーマを思いついた時点で、
- このテーマで書く記事は、要約可能か / 不可能か
- 書き手の固有性が出るパートはあるか
- 本文を読まないと得られない情報はあるか
の 3 つを確認してから、書きはじめます。これは社内で「クエリ性質スコア」と呼んでいる軸ですが、まだ運用しはじめたばかりで、判定が安定するには、もう少し時間がかかりそうです。
これから作る記事を、検討プロセス上の役割で決める
判定軸の整理が終わって、ようやく「では、これから何を作るか」を考えはじめられる状態になりました。
ここで採用したのが、プロレクトの 5 段階の検討プロセス を、記事の役割設計に使うやり方です。
5 段階の検討プロセス
私たちは BtoB の受注プロセスを、次の 5 段階で捉えています。
- 課題認識:自社の課題を言語化しはじめる段階
- 情報収集:解決策のオプションを広く調べる段階
- 比較検討:複数の選択肢を絞り込み・比較する段階
- 社内検討:上長・他部門・経営層と稟議を進める段階
- 発注判断:最終的に契約を決める段階
BtoB の受注プロセスでカギを握るのは、比較検討以降の 3 段階(比較検討・社内検討・発注判断) です。なかでも 4 の「社内検討」と 5 の「発注判断」は、稟議突破や契約決定という、受注の有無を直接左右するフェーズですが、サイト側に素材を揃えるのがもっとも難しい段階でもあります。
段階ごとに、必要な記事タイプは違う
各段階で、読者がサイトに求める内容は変わります。同じ「ホワイトペーパー」という言葉でも、課題認識フェーズの読者と、社内検討フェーズの読者では、欲しいものがまったく違います。
- 課題認識:「うちにも当てはまるかもしれない」と気づかせる、共感型の記事
- 情報収集:「全体像」「主要なオプション」「代表的なフレームワーク」を整理した記事
- 比較検討:複数の選択肢を、判断軸とともに比較できる素材
- 社内検討:稟議突破に使える、定性的な根拠(事例・データ・第三者視点)が揃った素材
- 発注判断:信頼を裏付ける、最後のひと押し(実績・条件・リスクの明示)
これを 記事制作のチェックリスト として持つようにしました。新しい記事を企画する段階で、「この記事は、検討プロセスのどの段階の読者のために作るのか」を最初に決めます。
プロレクトでは、比較検討以降を厚くする方針
止血で見えた最大の空白は、「比較検討」以降のフェーズ ── 特に「社内検討」と「発注判断」── の素材 でした。私たちのサービス自体(受注導線設計パッケージ・月次パートナー)の性格上、ここに刺さる素材がないと、商談化や契約決定に進みにくい構造になっています。
なので、これから書く記事は、3〜5 の段階から逆算する 方針にしました。なかでも 4(社内検討)と 5(発注判断)に刺さる素材を、いちばん優先します。情報収集フェーズの “とは記事” には、しばらく深入りしません。
これは事業の性格による選択であり、すべての会社が真似する話ではありません。重要なのは、「自社事業のどのフェーズの素材が足りていないか」を起点に、書く記事の役割を決める ことです。
AI に任せる部分と、人間が判断する部分
ここまでが、「何を作るか」の判断軸 の話でした。残るもうひとつのテーマが、「どう作るか」 ── 実際の制作プロセスで、AI と人間の役割をどう分けるか、です。
一般論として「AI 活用法」を書くつもりはなく、第1-2弾の記事自体を AI と分担で書いてみての実感を、そのまま書きます。
第2弾を書きながら見えた線
第2弾を書いている途中で、何度も感じたことがあります。それは、自分が何を恥ずかしいと思ったか、何を怖いと思ったかは、AI には判断できない ということでした。
第2弾の核になったのは、GSC のデータそのものではなく、「捨てる怖さ」や「自分の中の執着」を書いた部分でした。データは記事の支柱ですが、読まれる記事になるかどうかは、そこに人間側の言語化が乗っているか にかかっている、というのが今回の手応えです。
何を出すか、何を出さないか、どの失敗をどこまで書くか、数字をどう解釈するか ── これらは結局、人間が決めるしかない領域でした。一方で、構成の整理、論点の抜け漏れ確認、表現のたたき台作成、GSC データの集計や記事メタの取得などは、AI のほうが早くて正確です。整理に強い AI に下準備を渡せた分、自分は「判断」と「言語化」に集中できた ── 第1-2弾を書いた手応えとして、いちばん明確だった部分です。
分担を整理すると
その上で、現状の分担をざっくり整理しておきます。
AI が主に担当:リサーチと素材整理(GSC 集計、記事メタ取得など)/ 骨子・初稿の作成(H2 構成、論述ロジック、トーン揃え)/ フレームワーク部分・一般論部分の執筆 / 表記揺れの調整
人間(私)が判断:記事のテーマと、サイト全体の中でどの役割を担う記事として作るかの決定 / 実体験ブロックの執筆 / 第三者には書けない、固有性のあるエピソードの言語化 / 受注導線視点の最終チェックと CTA 設計 / 「ここは書きたくない」の境界判断
利点と限界
利点としては、書き手の固有性を残しつつ、執筆スピードが上がる ことです。第1-2弾は、それぞれ 10,000-12,000 字の記事を、企画から公開まで 1-3 日で出せました。AI 抜きでは、おそらく 1 本に 1-2 週間かかっていたと思います。
限界としては、人間側の判断と素材提供がボトルネックになる ことです。AI は実体験を書けません。AI に任せすぎると、第1弾で書いた失敗 ── 「クオリティは高いが、誰の役にも立たない一般論記事」 に逆戻りします。
この分担ルール自体は、まだ運用しはじめたばかりで、ベストプラクティスとして語る段階にはありません。第4弾「仕組み化編」で、もう少し具体的なガイドライン(AUTONOMY_GUIDELINES)として整理する予定です。本記事の時点では、「私たちはいま、こう分担している。これがベストかはまだわからない」 というところまでです。
まだ試行中のこと / 今後検証すること
最後に、現時点で まだ答えが出ていない問い を、率直に書いておきます。第1-2弾と違って、第3弾は「これからやること」の話なので、決着がついていない部分が多くなります。以下の 5 つは、これから数ヶ月〜半年かけて、第4弾「仕組み化編」と第5弾「定点観測編」を中心に検証していく問いです。
- AI Overviews に代替されにくい記事の条件は、本当に再現性を持って判定できるのか:「要約しにくい」「固有性がある」「本文を読まないと得られない情報がある」という仮説は立てた。ただし、企画段階で精度よく判定する基準として運用できるかは、これから検証段階。判定が安定するには、もう少し時間が必要
- 検索流入を取りに行く記事と、受注導線上で必要な記事の最適な比率はどこか:両者とも必要であることは確認した。ただし、その比率は自社事業のステージで変わる。プロレクトの今のステージでは「受注導線寄り」と決めたが、これが半年後・1 年後にも正しいかは未確定
- 「社内検討」「発注判断」フェーズの記事は、検索流入ではなく商談化にどう効くのか:稟議突破・契約決定に効く記事は、検索流入数では測れない。問い合わせまでの読まれ方や、商談中に引用されるシーンを観測しないと効果が見えない。計測設計そのものが、これからの課題
- AI にどこまで構成・下書きを任せ、どこから人間が判断すべきか:いまの分担は手探りで決めた線です。事業フェーズや書き手の状況によって最適点は変わるはずで、第4弾「仕組み化編」で整理する予定ですが、半年後にはまた違う形になっている可能性が高い
- 過去記事の noindex / 統合 / リライトを、どの頻度で見直すべきか:今回は数ヶ月単位で一括見直しをしました。これが妥当な頻度かは未確定。AI Overviews の進化スピードを考えると、半年に 1 度の方が良いのかもしれません
これらの問いに、第5弾「定点観測編」で答えていく予定です。
言い切らないことの意味
第1-2弾を書いていて気づいたのは、「現時点ではこう考えている」「まだ検証中である」と言い切る記事のほうが、検討段階の読者には届きやすい ということでした。「これがベストプラクティスだ」と断定する記事は、もはや AI Overviews が要約して返してしまいます。逆に、「うちはこう考えて、こう動いて、まだここがわからない」と書く記事は、要約しにくく、固有性が残る のだと思います。
第3弾を「完成形のノウハウ記事」として書かなかったのは、そういう理由でもあります。
プロレクトはこれから何を提供するのか
第1弾・第2弾でも書いた通り、私たちが事業として扱っているのは、BtoB 企業のホワイトペーパー・ウェビナー・SEO 記事・営業資料を、それぞれ単体ではなく、商談・受注につながる導線上の役割として設計・再設計する 作業です。
今回の再構築を通して、改めて見えたことが 1 つあります。
「捨てる」「整理する」「作る」は、同じ判断軸の上で連動している ということです。
新しく作る記事を考えるときに、捨てた記事や残った記事と切り離して企画しても、サイト全体の主張は積み上がりません。何を捨てるか・何を残すか・何を作るかは、すべて 「読者の検討プロセスのどこを進めるためのものか」 という同じ問いに行き着きます。
最後に:論点整理から始めてみませんか
「増やす」前に、「残すべきもの」と「外すべきもの」と「これから作るべきもの」を整理する。
BtoB のコンテンツ施策では、この順番を間違えると、作るほどにサイトの主張がぼやけていきます。
プロレクトでは、30 分の無料相談で、現状の施策がどこで詰まっているかの論点整理を行っています。過去のコンテンツをどう扱うか、これから作る記事の役割をどう決めるか、AI と人間の分担をどう設計するか ── こういった具体的な状態でお越しいただいて構いません。
本記事は、5部構成シリーズの第3弾です
第4弾では、本記事で触れた AI と人間の役割分担を、もう少し具体的なガイドライン(AUTONOMY_GUIDELINES)として整理 したものを公開する予定です。第5弾「定点観測編」では、第2弾で外した 38 記事と、本記事で語った判断軸の運用結果を、数値で検証する回にします。
- 第4弾:仕組み化編 ── AI に何を任せるかを決めるルールブック
- 第5弾:定点観測編 ── 38記事 noindex・用語辞典統合の効果検証
シリーズを通して、私たち自身の試行錯誤の過程を、できる限り生のまま公開していきます。